家庭教師がお手伝い 目次   自己紹介と生徒募集


 言うまでもなく国語科は存在意義を最も疑われている科目であり多くの患者たちがこう訴える「国語なんかやって何になるんだ」。国語科の患者たちの主訴としては他にも、気持ちが分からないだの季節感がつかめないだのどうでもいいような事を小難しく語るだの漢字が書けないだのと、全くわけがわからない。国語科よりもむしろ精神科などは妄想だ自己愛だとよっぽどわかりやすい。そもそも国語の病人は初めからなんとなく症状を自覚していて半分は諦めているのに、科目がある以上仕方がなく毎学期二回ほど定期検診を受けるのである。検査結果は波があるのが一般的特徴でそれに一喜一憂して(主に本人より親がであるが)病状をさらに悪化させる患者もいるが、治療法は全く確立しておらず大抵の場合ただ「本を読む」のがいい薬になるのではないかと勧められるようである。また、「しっかりする」ことを勧められることもある。しかし、スポーツならばしっかりプレーすることが得点に結びつくこともあろうが、国語の授業中には気をしっかり持てば持つほど逆に睡魔に襲われるというのも事実であり、しっかりしないほうを選ぶ生徒の場合は、たとえば漱石や一葉を理解するよりは睡魔に抗するため漱石や一葉の顔に落書きをする(彼らが決して五千円札の一葉には落書きをしないところを見るとあながちしっかりしてないとも言い切れない)たしかに、国語の睡眠指数は数学のそれの約2・5倍を上回るという研究(註1)があり、またそのような現実を前にして強い無力感を持つためか国語の教師が他科と比べて異常な人物が多いという生徒の報告が多々あるのもうなづけよう。
 そうして様々な努力にかかわらず、国語を学習してもなんとなく分からなかったことがなんとなく分かるようになったわけでもないのは様々のテスト結果が証明しているのであり、国語を学ぶ当事者はおろか関係者の落胆は想像するにあまりあるものの結局はやはり「しっかりしろ」と強く言ったり、それでもだめなら「しっかりしてね」と猫なで声で言ったりする民間療法に頼って終わりになりがちだ。もちろん、このしっかり分かるように方向づける目的で問題集が作られるのであるが、問題を解けばしっかり分かるようになるのかについては異論があるのであり、問題集を解かないでぼんやりと無為を重ねて過ごしてもそのうち分かるようになるに違いない、あるいは、分からない者は死ぬまで分からない国語の病は不治の難病であると考える勢力が現れるのも無理からぬ。かくして、国語治療を巡って関係者は、苦労重視派、安楽重視派、難病介護派その他各派対立にいたり、この派閥争いが家庭のみならず塾で学校で書店で一触即発の様相を呈しているのが実状だと言わざるを得ない。(註1家庭教師大塚による


使ってきた中学受験国語問題集(古い情報)

●「中学入試国語読解法」石原千秋(新潮選書)
 中堅校~難関校向けといえそうだ。選書なので書店では問題集のコーナーには置いていない。バランス良く精選された良問(というか見本問題)が二十題ほど載っている。解説がズバリと切り込んでいて、よくあるごまかしがなく納得できる。なにより問題に対する評価が痛快だ。国語問題に対する意見も同感。前半部分は筆者の息子の受験の体験記になっている。

●「予習シリーズ」算数・国語(四谷大塚)「合格必修シリーズ」など(標準札幌校)
   国語問題は各塾に特徴がある。抜き出し中心の問題で読解を求めたり、塾で一問ずつ解く仕様だったり色々だ。予習シリーズ国語は各問題に記述題が含まれ継続学習のバランスは良く採点も合理的だが分量多め。予習シリーズ算数は、紛らわしい聞き方の設問が少ない。効果的な反復定着学習ができるが独自カリキュラムのため4〜6年セットで考える必要あり。差集算比合わせなど解法が汎用的な一方、慣れずに解説をイメージ化できない生徒もいる。標準札幌の「要約」「短作文」プリントは記述対策の特訓で、ここの「公開実力テスト」で腕試しをするのもよい。どこの塾の教材も分量は多くて大変、自分の塾の教材の使い方を工夫しよう。例えば時間とたたかう工夫をしたりするのもいい。また、国語の入試問題は学校によって出題特徴が大幅に変わるから、家庭教師指導のもと生徒にあった取り組みを探そう。過去問対策として志望校にあった問題を探す必要もある。

 厚い問題集。算数の場合は 「応用自在」「特進クラス」が難関向け、「力の5000題」「自由自在」が基礎固め用なのだが、国語もそうだ。国語知識便覧などがまとまっているので必要な教材ではある。旺文社から赤い厚い本が出たが、まだ使ってない。
●「力の5000題」(教学研究社)
●「自由自在」(受験研究社)
この二冊はいずれも、書き順とか送り仮名とか部首とかローマ字とか学年別配当漢字とか国語の基礎知識が詰まっているので重宝する。
●「特進クラスの国語」(文英堂)
●「応用自在」(学研)
こちらの二冊は中学入試対策用で四字熟語など知識集も高度なものを取り上げている。いずれも厚い本の割に一題あたりの設問数は少なめで問題集より使いやすい場面も多い。特進クラスは記述は少なめで色々な問題に対応。応用自在は記述が多め。

●「これが入試に出る 国語読解ベスト10」(声の教育社)
 よく出題される問題の過去問から設問を取捨選択しているようだ。テスト形式で一題あたりの設問数が多い。時間と配点付き。改定前は二段階になっている得点基準は模試のように正確だったが改訂後あてにならない。百点満点で点数が付けられるので、点数が動機の少年にはもってこいだ。

●偏差値**国語偏差値別類似問題徹底研究100(東京学参)
 これも過去問題集。学校名が記載されていないが、偏差値が近いと大体同じくらいの難しさと同じような傾向になるのが面白い。

●「中学入試 でる順 国語長文読解75」(旺文社)
 基本~ 問題は短めで設問は少ない。そのためか、かえって設問に、普段塾で習うのとはちがう切り口の問い方があるように感じられる。だから、ちょっと気分を変えて解いてみたいときによさそうだ。問題文が重複して載っているのがもったいない気もするが、家庭教師的には2冊買わなくていいのでお得用。これ一冊でも、考え方解き方の応用力がつきそうだ。

  ●「ハイクラステスト」「標準問題集」「解き方上手」「全国標準テスト」など受験研究社の問題集
基礎 地味だが長く続いている正統派の教材。問題数も多く、ページ毎にまとまっている。たくさん読んでたくさん書くという日常の宿題に適す。教育的な出題?過去問とはいえ問題が学校風なものも多い。。

●「新小学問題集」応用編(教育開発出版)
よく使われている塾用教材で市販はされていない。一題あたり設問数は少なめ。選択肢問題が難問揃いであるのが特徴。

●「中学入試最高水準ノート 国語文章読解」(文英堂)
 基本。読解のためにキーワードを選びだすトレーニングができる。教科書ドリルのような感じだが、文章が難しめで読みの浅い人の練習や作業的問題が好きな人にいい。記述対策にもなっている。

●「わかるできる応用自在問題集」(学研)
~応用。指示語なら指示語など、一つに絞っての特訓に使いやすい。「応用自在」は算数含め類書のなかでは、ハイレベル問題中心。国語は基礎編は設問一問一答主義で、応用問題編は難しめ。

●●以下は絶版か

●特進クラスの国語 難関・超難関校対策問題集 (文英堂)
●塾で教える国語 文学的文章/論理的文章 実戦問題集 (文英堂)
 いずれも文英堂の精選過去問集であり、似たような感じの問題集だ。各学校が満遍なく拾われており、傾向が実際に分かるだろう。解説は前者の方が応用を考えて作られているように感じた。塾に通っている生徒は塾で志望校類似の過去問をするので、この問題集の出番はまだ志望校の明確でない生徒のところだろうか。
●「国語長文厳選40題」(みくに出版)
中堅校~難関校向け。良問が多い。文章の内容がやや高度で、高度な文章の出る学校を目指す人や、いろいろな文章に接したい人向き
●「記述のキソ」丸山あきら(教学研究社 絶版)
基礎。記述問題に絞っての練習に使える。取り上げてある文章は物語文中心。解答欄が別冊になっている。別解なども示され丁寧なつくり。私なら記述はもう少しシンプルな指導の方がいいようにも思うが、勉強になる。
●「ぴぐまりおん」(サピックス)
基礎 楽しく読むことを中心に、受験の前段階としての「国語的問題」も載っている。ゲームや推理などのコーナーもふんだんにある。国語問題を解くのがつらい子供にも、問題自体はあくまでおまけとして色々な方法で使える。
●「新小学国語長文問題の研究」第1~4集(西北出版 絶版)
基本~難関校。字が細かいぶん問題の種類と数が多いので、苦手傾向や志望校に合わせて適当に問題を選ぶことが出来るだろう。見開き1ページにまとまっている。配点付き。



●「言葉への戦術」劇作家別役実著
 センター試験過去問題集唯一「編集の都合により省略」と記される国語史に残る難題。