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小論文について述べる 

小論文採点基準例(PDF)


小論文を実際に書いてみる
その方法、思い付き、書き進め 

 

 小論文はあなたの表現。記述は人それぞれ。多様な取り組み・スタイルが可能だが、私のアドバイスを書いてみる 別紙(PDF) 


 まずは作戦タイム
 自分のやりかた

 すぐ原稿用紙に書き始めず、策を練るのがおすすめ。アイディアが浮かんだのに忘れたら悔しいからメモ。一方、書きながら考えを思いつく人は、どこかの小説家のように草稿を汚く書いて時間をみて本稿に移る。ただ、書きながら考えが変わってイチから書き直しをする時間がかかるかもしれない。また一方、書きたいことも手がかりも見つからない人は何かネタを用意しておけば良かったと焦るが、読むうちにいい考えを思いつくかもしれない。



 設問の趣旨と意図をつかむ
 設問に答える意見と例を考える
 アイディアでも勝負 

 たいてい、何か長文を読まされる。ときに、グラフを見せられることもあって、国語のはずなのになぜか社会や理科の力が試される。出題の把握だけならいいが、さらに条件がついている場合も多い。〇〇を踏まえて述べよ云々。さらに、記述の方向・内容が決定的に(あるいは暗に)決められてしまっていたり、小論文とは名ばかりレポート記述というのもある。



 たとえば

 「机の消しゴムカスを放置せず片付けるというように、むしろ面倒なことに取り組もう」(天使21年)という出題。難しく書いてあるが小学校からおなじみの道徳の話、あるいは「苦労の価値」のたぐいだと把握するのが第一歩。そこから先は、自分の苦労体験をオーバーに表明してみるもよし、「面倒」という言葉を切り口にするもよし。仕事とサービスの話に持ち込んで「サービス精神が自己の成長につながる」などとキレイごともよし。

 内容を絞る
 論点を決める
 第一段落をキメる 

 賛成か反対かで書き始めると、第一段落が一行で終わってしまう。本文の要約から始める人もいるが、ここでは自分なりの切り口や論点を打ち出すとかえって書きやすい。たとえば「空気を読む」ことの是非を書く場合に「子育てで空気を読む」のか「宴会で空気を読む」のか限定したほうがいい。ここで論点を絞らないほど論が漠然となる。また、「察する」という別の言葉に置き換えて少し角度を変えてみるのもいい。また、死刑についてなら「死刑制度は廃止or存置するべきである」より「死刑判決後の被告の改悛例から死刑制度について考えてみたい」「法務大臣が死刑を自動にすべきと発言したが〜」と絞ってみる。

 たとえば

 「グローバル化」の設問に、つい教科書に書いてあったことをだらだら書いてしまう。ここで、自分が得意な分野の知識を思い出す。「グローバル化と韓国のダンス」で日韓台と中国の問題を書くと鋭くなるかもしれない。「グローバル化と英語」いや「グローバル化とカタカナ語」ならカタカナ語「サステナブル」「アプローチ」「コンセプト」などなど・・・の知識があれば「グローバル化によってものの考え方が西欧化してきた」などと書けそうである。また、たとえば「多様性」「移民」などのキーワードを思いつくと、筋を一本化することができる。 

たとえば

 「責任意識から自分で情報を抱えこむより、メンバーの知恵を借りて解決しよう」(道医療大21年) 。小論文の練習を重ねるとよく出てくるコミュニケーション論は看護系の王道。「またか」&「持ちネタで行ける」と思えばしめたもの。医療における報告連絡の重要性に絞るか、情報公開を渋る最近あった政治の話に絞るか、部活のリーダーを例に絞るか。そこで、第一段落に「部活の部長の役割を例に考えたい」と論を限定したうえで、「指導力よりもコミュニケーションをとることが大事だと考える」と要点を書いてから第二段落へ展開できる。


 展開するためには
 反対を考える
 視点を変えてみる 

 展開を思いつかないと、くりかえし同じようなことを書いたり、抽象論だけで終わってしまいそうになる。そこで、おすすめの展開思いつき方法は、なにか「反対のこと」を考えることだ。それによって新たな切り口が見つかったり、テーマを深めたりすることがある。 例えば「日本の学生は貧困のなかでレジャーをする」(道日赤20)テーマが与えられたら、その反対の切り口を思い浮かべる。「貧困でなく裕福なら」「レジャーではなく学習会ならば」「日本でなくてインドなら!」。例えば「学生ではなく子供なら」事態はより深刻であると記述に目星がつく。反対を思いつくことによって、対比で記述を構成できる場合(たしかに〜しかし)もあるし、テーマを大きな視点から捉え直すことにもなるだろう。 

  

 理由の記述
 適切な根拠
 客観的に伝える 

 意見を書き、その説明を書きさえすれば小論文は完成だ。小論文の基本は、意見・立場の理由と根拠とを書くことだ。ただし、占いを信じる人は「占い師がこう言っていた」点を根拠にするし、ナショナリストは日本は神の国であることを根拠にするし、悪人を叩く人は十円を拾っても悪事の根拠にする。一方占いを信じる人は、どちらかというと日本のおみくじよりは西洋の占星術を信じ、運勢のいい悪人は叩かないのであって、自分が根拠だと思っていることがどこでも通用するわけではない。それを通用すると思っている学生が少なからずいるのは、ネットで偏った意見しか取り込まないか、元々知識がないだけであろう。
 最も信頼に足る根拠といえば「数字」である。心理学者はネズミの走る速さやを数字にして客観的だとしているが、小論文のテスト中にはネズミの数字を思い出すのではなく、むしろ数字を言い換えた「ものの言い方」が重要だろう。

 要約問題や小問がある場合

 これは小論文記述の助けになると思って解こう。本文の最後か最初の方に要旨があることが多いので、まずは主旨だけを傍線を引きながら攻めていく。字数が余ればそれに付け足す文言を抜き出して選ぶ。抜き出しにたよりすぎると統一が取れなかったり、指示語の指示先や筆者独自の比喩に惑わされたりするから、自分の言葉に適宜言い換える。

 最後の段落に書くことと原稿用紙が余った時の対応

 

たとえば

   

 時間が足りない、ギリギリ